医学分館 沿革

TOP >> 沿革

(概要・歴史)

 東北大学附属図書館医学分館は、大正4年(1915)7月、東北帝国大学医科大学の開設にともない、医科分館として設置された。数次の改称・組織の改変を経て、現在は、医学系研究科・医学部、歯学研究科・歯学部、加齢医学研究所および病院などに所属する教職員ならびに学生を主たる利用対象者とする、医学・歯学関係にまたがる専門図書館としての役割を担っている。 医学分館は、医科分館としての設立当初から文献の相互利用を重視し、様々な試みに取り組んできた。その一例として、大正7年(1918)から発行を開始した『医学文献週報』(のち、『医学文献速報』、平成9年(1997)廃止)などが挙げられる。 昭和53年からは、文部省から医学・生物学系外国雑誌センター館としての指定を受け、大阪大学生命科学分館、九州大学医学分館とともに、主として国内未所蔵外国雑誌を収集し、全国の大学、研究機関からの文献複写申し込みに応じている。

(施設・設備)

 昭和59年(1984)1月に完成した現在の医学分館本館は、東北大学星陵キャンパスのほぼ中央に位置し、濃いアイボリーのタイル張りで外装された、3階建ての清楚な建物となっている。平成16年2月には2階建ての別棟を増築した。 メインとなる本館には、洋雑誌のバックナンバー、新着雑誌、図書などが配置されているほか、情報検索コーナー、レファレンスコーナー、研究者閲覧室、研究個室、特別閲覧室、視聴覚室、貴重資料室などが置かれ、利用の接点として機能している。 別棟には、和雑誌のバックナンバーが配置されているほか、2階は閲覧室として利用しており、情報コンセントならびに利用者用パソコンを設置している。  本館・別棟あわせての閲覧座席数は333席、収蔵能力は約43万冊となっている。

(蔵書数・コレクション)

 大正5年(1916)時点では1万冊に満たなかった蔵書は、平成23年度末現在では、図書431,715冊(和漢書173,358冊、洋書258,357冊)、雑誌13,766種類(和雑誌4,763種類、9,003種類)となっている。

 貴重なコレクションとして、前野良沢や杉田玄白らによって翻訳され、西洋医学の本格的な紹介書として著名な『解体新書』(1774年)や、前野良沢や杉田玄白に学んだ仙台藩医・大槻玄沢(1757~1827)の書簡などを所蔵している。

 さらに、宮城県衛生研究所の創設者で初代所長を務めた青木大輔(1901~1967)が収集した「青木大輔コレクション」、フライブルグ大学やベルリン大学の薬理学教授として高名であったトレンドレンバーグ教授(Paul Trendelenburg 1884~1931)、およびその弟子クライヤー教授(Otto Krayer 1899~1982)に献呈された薬理学・生理学分野の論文別刷のコレクションであるTrendelenburg & Krayer's Collection of Scientific Papersなどを収めている。

→貴重書コレクション