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本書は弘化4(1847)年に制作された「病草紙(やまいのそうし)」の写本である。
「病草紙」は、「地獄草紙」、「餓鬼草紙」と共に一連の絵巻物として制作されたといわれており、京都国立博物館に所蔵されている関戸家本は国宝に指定されている。
原本は絵巻物であるが、本書は画面の展開から、当初から折本として制作されたと考えられる。制作者「忠房」は不詳であるが、現在国会図書館に所蔵されている富士川游旧蔵本と同じ多紀元簡の奥書がある。
表紙には市島春城の蔵書印も確認できる。帙裏の識語に記されるように昭和14(1939)年、慶應義塾大学教授であった藤浪剛一から当時本学第3内科副手であった山形敞一名誉教授へ贈与された。
平成11(1999)年、山形名誉教授から当館へ遺贈された。
場面の名称は、『杏雨書屋所蔵病草紙摸本集成』2017 に依った。
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